新緑の御岳渓谷に行ってきました。
前回は去年の12月半ばに、玉堂美術館をメインに訪れました。
その時は、奥多摩に向かって多摩川左岸の吉野街道経由で行きましたが、今回は右岸の旧青梅街道を辿りました。
ベテラン運転手(夫)がいるので安心、のはずでしたが、最初の目的地である御岳美術館は見事に通り越して、少し引き返すことに・・・
それほど控えめな可愛らしい美術館です。
小さいながらもコレクションは充実していました。
特に高村光太郎の「手」は思っていたよりも大きく力強いものでした。中村彝(つね)の風景画もあり感激。私は中学生の頃からずっと、中村彝が盲目のロシア詩人を描いた肖像画が大好きなのです。
2Fには水彩画が多く展示されていましたが、あらためて軽やかでステキだと感じました。
御岳美術館についてはこちら
美術館の前はフィッシング・センターとなっています。釣りをしている方が数人いましたが、その中でたぶん一番の名人は・・・
アオサギです。遠目からでも、とても大きいその姿。
けれども、ダイサギのように真っ白ではないので、うっかりすると見落としそうです。
水しぶきが上がっている浅瀬では、羽の色や模様が、すっかり周囲に溶け込んでいるのです。
その上、じっと立っていて、ほとんど動きません。
獲物である魚たちに気付かれないようになっているのでしょうか。
この日の天気は晴れたり曇ったり。空の色も雲の形もどんどん変わりました。それにつれて空を映している流れの色も刻一刻と変化し、まるで魔法がかかったようでした。
アオサギ君に別れを告げ、手打ち蕎麦のお店へ。
お蕎麦はもちろん美味しかったのですが、インテリアも素敵でした。
次は沢井駅まで向かいます。
沢井の駐車場に車を置いて、橋を渡り遊歩道へ。
この橋も、前回訪れた時は修理中でした。
遊歩道には小さな草花があふれていました。
オオバコ、ハコベ、ヒメジョオン。
シャガ、キンポウゲ、ヒエンソウ。
ツバキ、ヤマツツジ、コデマリなどもまだ咲いていました。
その中で珍しかったのがベニバナトキワマンサク。
仲間の黄色いマンサクはとっくに散ってしまったけれど、これは常緑樹で4〜5月が開花時期だそうです。
遊歩道からは澄んだ流れがよく見えました。色鮮やかなカヌーが通り過ぎていきます。河原に下りたいのですが、少し周りを見回しても、はっきりした道がありません。少し行くと、何となく踏み固めた感じの場所があったので、恐る恐る(半分ワクワクと!)下りてみました。川底の石の一つ一つがくっきりと分かるほど水は澄んでいました。
昨秋の台風以来、機会があるたびに多摩川を訪れてきましたが、この約半年で再生したように思います。長かったような、案外短かったような・・・
堆積物を取り除いたり、壊れた橋や手すりを直したり、人の手で行われたことには頭が下がる思いです。
そして、自然の力のどんなに素晴らしいことでしょう! 折れた枝からも新芽が出、花も咲いています。茶色く濁っていた川の水も、川底の藻の一本一本が見えるほど透き通っています。
どんなことがあっても、希望を失ってはいけないと川は教えてくれているようでした。
御岳渓谷を後に、帰路は吉野街道を・・・途中、釜の淵公園という所にも寄ってみました。木の枝でお昼寝する猫、エメラルド色の川のことなど、その様子は、また次回に♪